◎ 会社法−剰余金の配当
 (自己株式の取得の税務)



自己株式を取得した場合の税務の考え方 及び みなし配当課税について



◆ 「剰余金の配当」 ⇒ 自己株式の取得を含みます


  • 会社法では、従来の 「利益の配当」 に加えて、その他資本剰余金の減少による
    配当を含めて 「剰余金の配当」
    と言います







    その原資の区分に応じ
    利益剰余金の配当配  当
    (配当所得課税)
     
    その他
    資本剰余金の配当
    資本の払戻し
    (譲渡課税 と 一定の場合 配当課税)



    ◆ 税務の考え方 ⇒ みなし配当課税


    配当等とみなす額
    (みなし配当)

    (法24条)
  • 法人の株主等が、法人の合併等一定の事由により金銭その他の資産の交付を受けた場合において、その交付を受けた金銭等の
    価額の合計額がその法人の資本金等の額のうち、株式 (出資を含む) に対応する部分の金額を超えるときは、その超える部分の金額
  • ★ 一定の事由 @ 非適格合併  A 非適格分割型分割  B 資本の払戻し 
     C 残余財産の分配  D 自己株式の取得 等


    ● 「資本金等の額のうち 株式等に対応する部分の金額」 の計算

    資本金等の額のうち株式等
    に対応する部分の金額
    資本金等の額×株主等が有していたその自己
    株式の取得等に係る株式の数
    発行済株式等の総数

    減算する資本金等の額取得直前の資本金等の額×取得株式数
    発行済株式の総数

    減算する利益積立金額
    (みなし配当金額)
    自己株式の
    取得対価の額
    減算する資本金等の額

  • 資本金等の額 : 株主等から出資を受けた金額(⇒ 資本金の額(出資金の額)+資本積立金額)



    <みなし配当> とされた場合の税務は?
    法  人
  • 受取配当等の益金不算入制度(法23)の適用が受けられる
  • 個  人
  • 配当控除制度(所法92)の適用が受けられる



  • <みなし配当課税> から除外される自己株式の取得 (所令61@ 法令23B)
  • 証券取引所の開設する市場における購入
  • 店頭売買登録銘柄として登録された株式のその店頭売買による購入
  • 事業の全部の譲受け
  • 端株主の端株の買取請求 又は 一単元に満たない株式の買取請求による買取り 等々


  • 自己株式の取得等
    に要した付随費用
     自己株式の取得、処分、消却に関する付随費用の額は、
      発生した時にそれぞれ損金の額に算入する



    ◆ 自己株式の取得の税務処理 (まとめ)


     自己株式を取得した法人の税務譲渡した株主の税務
    自己株式の取得● 自己株式の取得対価の額のうち、
    その株式に対応する「資本金等の額」
    に相当する金額 (取得資本金額)
    → 「資本金等の額」 を減算
    (法令8@二十)

    ● 「資本金等の額」 を超える場合の、
    その超える部分の金額
    → 「利益積立金額」 を減算
    (法令9@八)
    ● みなし配当として課税
    (所25@四 法24@四)


    株式の取得が市場で
     の購入の場合など
    一定の場合は、
    みなし配当課税なし
    (所令61@ 法令23B)


    自己株式の取得 ・ 処分 ・ 消却の <会計処理> と <税務処理> (→)




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    自己株式を取得した場合の税務 及び みなし配当課税される場合の考え方を整理しました。



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